きょうのスクラップブックから。
讀賣新聞2017年5月31日。
歴史学者・岡田英弘さん訃報。
5月25日心不全で逝去。享年86。
(前略)
モンゴルや中国の歴史に造詣が深く、
日本古代史も研究した。
世界史の始まりを、
13世紀に出現したモンゴル帝国が
ユーラシア大陸の東西を結びつけたことに求める、
独自の歴史観を提唱した。
著書は「歴史とはなにか」「世界史の誕生」など多数あり、
全8巻の著作集(藤原書店)が昨年完結した。
モンゴル帝国に着目した岡田史観は
十数カ国語で一次資料を読み込む氏の学識が下支えした。
学界の主流ではなかったものの、
一読者として知的刺激を受け続けてきた。
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2013/06/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (12件) を見る
- メディア:
- この商品を含むブログを見る
藤原書店藤原良雄社長の息の長いサポート、
妻・宮脇淳子さん始め岡田門下のみなさんの地道な努力で
集大成の著作集全8巻が2016年6月に完結。
氏の存命中に世に残せたことが何よりだった。
謹んでご冥福をお祈りします。
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/08/01
- メディア: 文庫
- 購入: 19人 クリック: 787回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
●●●
追記(2017年6月6日):
讀賣新聞2017年6月5日朝刊「編集手帳」より引用。
歴史学者、岡田英弘さんが先月、死去した。
中国とモンゴルの文献を駆使した研究者だった。
本紙のデータベースでその名前を検索して見つかった記事は、
この20余年で10本もない。
マスコミにひっぱりだこだったとは言えない。
一連の著書は、様々な分野の目利きらにより、
書評欄で紹介されてきた。
(中略)
「嚢中(のうちゅう)の錐(きり)」のたとえを連想する。
きりは、おのずと袋を突き破る。
言葉が、歳月に埋もれずに、後世の人々をも刺激する。
今度、図書館の棚の間を歩くときには、
天才のきらめきを探してみようか。