佐藤優『佐藤優の集中講義 民族問題』
(文春新書、2017)を再読する。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/10/20
- メディア: 新書
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「あとがき」から引用する。
本書は、私が同志社大学東京サテライト・キャンパスで、
2015年5月から2016年2月にかけて行った
全10回の講義記録を編集し、加除修正したものである。
私の問題意識が明確になるので、
当時のシラバス(講義概要)を紹介する。
2015年春学期:ナショナリズムと国家(全5回)
(講座の狙い)
シリアとイラクの一部地域を実効支配する
イスラム教スンナ派過激組織「イスラム国」の活動が激化している。
この現象は、既存の国際組織の構造を変化させる可能性がある。
近現代の国家、国際関係の基盤となっているナショナリズムも
問題を掘り下げて考察することによって、
現時点での世界が直面している問題の輪郭を明確にする。
(引用者注:以下各回タイトルのみ)
第1回 民族をめぐる二つの方法論
第2回 スターリン民族理論の再検討
第3回 『想像の共同体』説の限界
第4回 心と民族の関係について
第5回 『琉球独立論』について
スターリン全集〈第2巻〉1907-1913年 (1952年)
- 作者: スターリン全集刊行会
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 1952
- メディア: ?
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想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (ネットワークの社会科学シリーズ)
- 作者: ベネディクトアンダーソン,Benedict Anderson,白石さや,白石隆
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 1997/05
- メディア: 単行本
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2016年秋学期:ナショナリズムと国家2
トランスクリティーク(全5回)
(講座の狙い)
ベネディクト・アンダーソン『比較の亡霊』と
アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』の
トランスクリティークを通じて、
21世紀においてもナショナリズムが人々の心をとらえ、
突き動かす構造を解き明かす。
同時にアンダーソン、ゲルナー両人の
道具主義的アプローチの限界を明確にする。
(引用者注:以下各回タイトルのみ)
第1回 遠距離ナショナリズム
第2回 耐エントロピー
第3回 資本主義と民族
第4回 ウクライナ紛争
第5回 沖縄の自己決定権
- 作者: ベネディクトアンダーソン,Benedict Anderson,糟谷啓介,イヨンスク,増田久美子,高地薫,鈴木俊弘
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 単行本
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- 作者: アーネストゲルナー,加藤節,Ernest Gellner
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/12/22
- メディア: 単行本
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いまこうしてシラバスを読み返しても、
密度の濃い、充実した講義だったと思う。
本書を読めば全10回のエッセンスがつかめる。
僕は「漆塗り方式」で何度も復習するのに本書を使っている。
ナショナリズムを学ぶことは
現代社会の変化を読み解き、近未来を予測するのに役立つ。