ハオハオが在留ベトナム人の胃袋を慰める


スクラップブックから
朝日新聞2018年10月30日朝刊
ベトナム「国民的」麺 日本に
エースコック 在留者増で逆輸入


   ベトナムで圧倒的な人気を誇る
   エースコック(本社・大阪)の袋入り即席めん「ハオハオ」が
   11月から、日本でも味わえるようになる。
   ベトナム食材を扱う関東の小売店を中心に販売。
   ベトナム出身の在留者が急増するなか、
   「故郷の味」を求める声に応える。


   同社の現地法人エースコックベトナムが手がけていて、
   現地向け商品が「逆輸入」されることは異例。
   1袋98円前後となる予定だ。
   (略)


   消費拡大のきっかけになったのが、
   2000年発売のハオハオだ。
   ほぐれやすいめんに加え、
   酸っぱさと辛さのあるエビスープが支持された。
   いまや年間14億袋を売り、
   ベトナム市場で3割のシェアを持つ「国民的即席めん」だ。
   (略)


   日本では、留学や就労でやって来るベトナム人が急増している。
   在留者を出身国・地域別にみると、
   中国、韓国・朝鮮に次いで3番目に多いグループになった。
   18年6月末の在留人口は約29万1千人で、
   12年末の5倍以上にふくらんだ。
   ベトナム人の増加で、ハオハオのニーズも急上昇。
   (略)


   ベトナム関連の催しで特別販売されると、
   ベトナム人が箱買いしていくという人気ぶりだ。
   (略)
                   (ホーチミン鈴木暁子)



海外からの労働者を「移民」と呼ぶか呼ばないかで
国会がかまびすしい。
水面下で30万人近くに増えたベトナム人在留者を支える
「国民的即席めん」が売れていることを記事は伝えている。


「文明」が労働力を海外から日本国内に動かす。
その味覚、胃袋を「文化」が支えている。
実に興味深い対比だな。
どこかでハオハオを見かけたら、いっぺん食べてみよう。
異国での出稼ぎの侘しさを慰める、故郷の味がするのだろうか。