クリッピングから
朝日新聞2021年1月9日朝刊「別刷be」
コロコロ毛玉日記⑬
中川いさみ
回文を考える
上から読んでも
下から読んでも
同じというやつだ
しかも必ず
「ネコ」が出てくる
「ネコ回文」だ!
さんざん考えて
…
ネコ…
コネコ…
ネコネ…
できた!!
やっとひとつできる
「イカ食(く)う
箱根(はこね)の猫(ねこ)は
浮(う)くかい?」
箱根
ぶか〜
ネコ回文…
結局ひとつしか
できず…
もうひとつ回文
倉田(くらた)
歯(は)が痛(いた)いが
働(はたら)く
←倉田
いててて…
我が家の大王もイカ好きです。
僕がたちのみ大王で駄菓子の「のしいか」を食べてると、
くんくんくん、とハナを動かしながらやってきます。
ついさっきまでガスストーブ前で眠っていたのを
確認しておいたにもかかわらず、なのです。
(大王近影/同居人ブログ「もるとゆらじお」より)
大王にイカを食われると、
持病のオシッコ詰まりを誘発するリスクが高まります。
二日も放っておくと生命の危険にも関わりますので、
主治医DB先生の元へ飛んでいかなくてはなりません。
なけなしのこづかいも治療費に飛んでいきます。
僕は立ったまま、のしいかを頭上に持ち上げ、
大王に気づかれないように第三のビールを飲むハメになります。
- 作者:土屋耕一
- メディア: 単行本