阿佐ヶ谷姉妹の「阿佐ヶ谷アパートメント」(NHK)

クリッピングから
朝日新聞2021年7月24日朝刊
「令和テレビ時評」多様性考える「アパート」
太田省一社会学者)


文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」を聴いていて、
芋づる式で知った番組。
月曜パートナー・阿佐ヶ谷姉妹
火曜中継レポーター・タブレット純が出演している。


  なんとなくテレビを見ていると、
  偶然面白い番組に出会って得した気分になることがある。
  先日も、そんな番組があった。
  6月30日放送の「阿佐ヶ谷アパートメント」(NHK
  というバラエティー番組だ。


  スタジオに、正面から部屋のなかが見える、
  大きな2階建てアパートのセットがある。
  その各部屋には、日本在住のネパール人、関西弁のギャル、
  バンカラ男子、年配の女性、それに乙武洋匡や女装家のブルボンヌなど、
  文字通り多彩な人たちが住んでいる。


  そして大家が阿佐ヶ谷姉妹、居候がEXIT、
  古株の住人が飯尾和樹という設定だ。
  内容は、そんな住人たちがVTRを見て自由に語り合うというもの。
  (略)


  なかでも、北九州のヤンキーと
  難病を患う障害者の男性2人旅のVTRは、印象的だった。
  障害者に接するのが初めてでどうしてよいかわからないヤンキーだったが、
  徐々に打ち解けていき、相手への認識が変化していく様子が感動的であった。


  とにかく良かったのは、多様性について、
  楽しみながら自然に考えられたところ。
  その点阿佐ヶ谷姉妹、EXIT、飯尾和樹のバランスも絶妙だし、
  なによりアパートという設定が抜群だ。
  (略)


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阿佐ヶ谷姉妹は引退後、アパートを経営するのが夢だと
「ゴールデンラジオ!」で話していた。
多様な住人が寄り添って住める場所にして
そこでみなさんのお世話をするのが理想だと言っていた。
この番組はその夢をいち早く実現したような構成だ。