クリッピングから
讀賣新聞2023年6月19日朝刊
「定番物語」斬新な色鉛筆 50年の支持
(イラスト・友田威)
全部が芯の色鉛筆といえば、
サクラクレパスの「クーピーペンシル(クーピー)」だ。
従来の色鉛筆とは一線を画す、
斬新なデザインと機能でロングセラーを続けている。
「クレヨンのように広い面が塗れて、折れにくく、
消しゴムで消せる色鉛筆がほしい」。
クーピーは1973年、そんな消費者の声をきっかけに誕生した。
強度と塗りやすさを実現するために考案されたのが、
軸全体を芯にするクレヨン風のデザインだ。
何度も強度テストを重ねるなどして、
芯の太さを一般的な色鉛筆の2倍の直径8㍉にした。
原料には合成樹脂を採用。
鮮やかな発色を実現するとともに、
顔料を紙表面の凹凸に入り込みにくくして、
消しゴムを使えるようにした。
「色鉛筆市場に一撃を加える」との思いを込めて、
「打つ」という意の仏語「COUP(クー)」に
「Y」をつけて「クーピー」と命名。
カラフルな四角と三角と丸で構成する、
幾何学柄の缶ケースに入れて売り出すと、爆発的な人気を呼んだ。
(略)
今年3月、誕生50周年を迎えた。
「クーピーから遠ざかった大人に
もう一度手に取ってもらえるような商品を企画中です」
と、同社商品企画担当の人見遙奈さん。
(略)
(生活部 金来ひろみ)
(アマゾンでは税込633円)