カンヌの一番はどれだ

カンヌが終わりました。
チタニウムのグランプリはUniqlock
日本のグランプリは3つ目です。
インテグレイティッドのグランプリは
バーガーキング
人気商品ビッグワッパーが提供できなくなった
と店でアナウンスし、ファンである顧客たちが
文句言う姿をドキュメンタリーで撮影しました。
フィルムのグランプリは
カンヌ始まって以来の2本。
X BOXとキャドベリー「ゴリラ」です。
昨夜だけで4つのグランプリが出ました。
それ以外にもプロダクション、エージェンシー、
エージェンシーネットワークのグランプリがありますし、
アドバタイザー・オブ・ザ・イヤーもあれば
ヤングライオンのフィルムディレクターの
グランプリがある。
こうなるとどれが本当の一番なのか
誰しも混乱してしまいます。
カテゴリーを増やしてきたカンヌのせいなのか、
広告コミュニケーションが
それだけ多様になった証明なのか、
どちらも原因であるように僕には思えます。
それにしても
フィルムで2本のグランプリを出してはいけません。
グランプリは選択に苦労しても1本だからグランプリだし、
価値があり、主張になる。
今年からインターネットフィルムなどを
カテゴリーに取り入れましたが、
その結果が2本のグランプリであるなら
審査員のメッセージがどこにあるのか分かりません。
ライバル広告会社に勤務しているMさんが
カンヌが始まってすぐ、
「僕はキャドベリーのゴリラがグランプリだと思う」
と言っていた慧眼には感心しました。
僕はチタニウムはともかく
今年のフィルムのグランプリはまったく予想できませんでした。
僕がMさんに「なぜですか?」と尋ねると
彼はこう答えました。
広告業界はいまのところテレビCMを否定することはできない。
 一方でバズの効果を否定することもできない。
 欧米の論調を見ていると、ゴリラのような理屈はないが
 バズになるテレビCMをグランプリにする流れが
 既にできているように僕には思えるんです」。
ゴリラだけをグランプリにできなかったのは
審査員の中で意見が割れたからに違いありません。
Mさんのような視野の持ち主と
現地で会話を交わせることにも
カンヌの価値があると僕には思えます。
カンヌには昔から名言があります。
「若者たちは学ぶためにやってくる。
 ベテランたちは思い出すためにやってくる」。
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写真はチタニウムグランプリをもらう
プロジェクター田中耕一郎さん。
僕は第二会場のドビュッシーの左端の席で見ていたので
写真もハスになりました。
見づらくてごめんなさい。
ニース空港で偶然、田中さんにお会いしたので
祝福の言葉を直接お伝えすることができました。