社会人のための「もういちど読む山川世界史」


現在、自分の身の回りで起きていることを
現在の視点や情報だけで判断するのは危険である。
そんなとき歴史的思考と世界的思考が役に立つ。


戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)

戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)


猪木武徳「戦後世界経済史」は通読してやはり名著だった。
いま二度目を読んでいる。
戦後と世界を俯瞰し、経済史の視点で考え直すのに
とても豊富な材料を提供してくれている。


もういちど読む山川世界史

もういちど読む山川世界史


新刊の「もういちど読む山川世界史」を併読している。
山川出版社の日本史、世界史は
高校の教科書で親しんだ人も多いだろう。


  「日々変化する世界をとらえ、
   ニュースの背景がわかる社会人のための教科書」
          (同書腰巻きのコピーより引用)


という企画が実にタイムリーである。
ニュースの背景を読み解こうと
同社が高校教科書を社会人のために再編集し、
最新記事を加えたシリーズだ。



三連休を利用して読み始めたが、
高校生のときにはとても気づかなかった視点で
世界史を読み直すことができる。


個人の力ではどうにもならない力の作用が
次の時代の流れを創り出し、
しかしその力もとどのつまりは個人の力の集大成から生まれる。
その相互作用を知るのが歴史を学ぶことであると僕は考える。




 (国家と国家の外交のように、猫と猫の間にも距離感が存在する)


確かに僕たちの回りで現在起きていることは
100年に一度の現象であるかもしれないが、
どっこい世界史を読み直すと、
激動していなかった時代などなかったことが分かる。


そして、現在は突然現在となったわけでなく、
過去からの流れ、力と力の拮抗作用、
人間の集団としての意識の変化などで
現在になっていることも理解できる。
「もういちど読む山川日本史」と並行して読み直してみたい。


もういちど読む山川日本史

もういちど読む山川日本史