フリーカフェと無料革命


きょうの帰り道はコースを変えてウォーキング。
いくらも行かないうちに
播磨屋ステーション「フリーカフェ」に寄り道することになった。
同僚Uさんに教えてもらったカフェである。



コーヒー、紅茶、緑茶、ほうじ茶、オレンジジュース、
このカフェはすべて無料である。
「日本一のおかき処」を自負している播磨屋が経営していて、
小皿に一杯分のおかき、せんぺいも無料である。




  (写真下が無料。
  「おかき、せんべいのお代わりはご遠慮下さい」
   と店内にアナウンスが流れる。
   僕が見る限りインチキする人はいない)


優劣競争に生きる人生でなく、
欲得抜きで生きる人生が幸福である
というのが社長・播磨屋助次郎の信念である。


そう聞くと、ここは新手の宗教団体のサロンなのかと早合点しそうだが、
まわりを見渡しても無料の飲み物とおかきで
しばしの憩いを楽しむ市井の人々がいるばかり。
迷える民を折伏しようと店員が寄ってくる訳でもない。



ここに来るのは二度目だが、
無選別のおかき、せんぺいどれでも三袋1,000円に魅かれて、
初めて商品を買ってみた(写真上)。
無料でつい心が開いて買い物したくなるのだろうか。


記憶をたどると我が家はここの缶入り播磨屋せんぺいを
ずいぶん昔に注文していたような気がする。
なかなか味のいいせんぺいなのだ。



「無料」というのはいまの時代、インパクトがあるものだ。
ちょうど、クリス・アンダーソンの新著『フリー(無料)』を
読み始めたところなのだ。
デジタル革命の時代は95%が無料で、
残る5%で商売するというのがこの本の骨子だ。


著者はWiredの編集長で、
ウェブ時代におけるロングテールを提唱していちやく時の人になった。
フリーはロングテールに続くクリスのコンセプトである。


フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

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ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ新書juice)

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  (播磨屋助次郎社長の言葉が壁に貼ってある)


播磨屋ステーションは10月に銀座四丁目にも出店した。
おかき処の無料革命は、どれだけ人の気持ちを揺さぶるだろうか。
播磨屋はフリーカフェをいつまで続けられるだろうか。
ときどき通って革命の行方を見守りたい。