祝復刊、小西甚一『古文の読解』


坪内祐三文庫本を狙え!」(週刊文春所載)で、
国文学者・小西甚一先生の『古文の読解』が復刊されたことを知った。
急いで5軒ほどの書店とアマゾンを探したけれど既に品切れ。
数日たってようやくS駅構内の駅ビルにある三省堂で見つけ購入した。
2010年2月10日第一刷、2010年2月25日第二刷とあるから
筑摩の担当者の予想以上の売れ行きなのだろう。


古文の読解 (ちくま学芸文庫)

古文の読解 (ちくま学芸文庫)


そもそもは高校時代に小西先生の『古文研究法』に惹かれた。
いまだに最後まで読み切れていない不肖の生徒ではあるが、
古典を読むためにも勉強し直したいと思い、ときどき読み返す。
その先生が書いた三冊目の参考書であり
類書とは比較にならないくらい中身が深く、めっぽう面白い。


日本文学史 (講談社学術文庫)

日本文学史 (講談社学術文庫)


この機会にと先生の『日本文学史』も併読し始めた。
240頁ほどの小冊子に日本文学の歴史を書き込んだ意欲作。
初版のときは黙殺されたらしいが、
その後、ドナルド・キーンが絶賛したことで再注目された。
1993年に復刊し、2009年までに21刷を重ねている。


古文研究法

古文研究法


こうした名著の復刊が続くのは偶然ではあるまい。
混迷の時代にこそ、小西先生の講義を聴き、先生と対話しながら、
日本の言葉と心を思い出したくなるのだ。


   wikipedia:小西甚一


(文中一部敬称略)