井野朋也『新宿駅最後の小さなお店ベルク』(2008)を読む。
副題に「個人店が生き残るには?」とある。
橋本健二先生のブログ「居酒屋考現学」で
ベルクのことを読み、興味を持った。
本書も発売後、書店で平積みになっていた記憶がある。
そのときはパラパラ飛ばし読みしただけで結局買わなかった。
新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)
- 作者: 井野朋也(ベルク店長)
- 出版社/メーカー: ブルース・インターアクションズ
- 発売日: 2008/07/04
- メディア: 単行本
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先日、初めて新宿東口の店に寄ってみたが、
なるほどクセのある、印象的な店だった。
料理もコーヒーもおいしく、
なにより店全体が一種のオーラを放っている。
家主である駅ビルLとなにやらもめていて、
大勢の熱烈なファンが店の後押しをして営業を続けていると知った。
店のホームページなどで事の経緯を調べた。
さらに本書を読んで、大企業が活力ある個人店に
法律の適用範囲を越えたプレッシャーをかけていることがよく分かった。
しかし、本書は大組織対個人店の闘いに
主眼が置かれている訳ではない。
若者たちが、日本という国で、
どんな夢を持ってこれからの時代を生きるか、生きられるか。
そのヒントが本書にある。
ベルクという個性的なビア&カフェを
仲間たちと20年持続してきた井野の
若者たちへのメッセージが一番の収穫である。
僕はベルクを、急がず、ゆっくり好きになっていこうと思う。
魅力ある個人店がこれからも活躍できる社会であるために
僕たちにできることはきっとあるのだ。
あ、そうそう、ベルクという店名は
著者の父上が純喫茶を始めたとき、
作曲家シェーンベルクの名から取ったのでした。
2010年もいよいよあと二ヶ月を残すのみ。
風邪などひかずに、前を向いて生きたいですね。
ときどきどこかで息抜きしたり、深呼吸することも忘れずに、ね。
(文中敬称略)