6年半ぶりにアジアでも仕事をするようになった。
俯瞰で物を見、考えるのに役立つのは歴史である。
宮崎市定『アジア史概説』(旧版:1947/1948, 新版: 1973)を読む。
ときどきパラパラと目を通すことはあったが
通読したのは初めてだ。
「新版の序」にこうある。
- 作者: 宮崎市定
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1987/02/10
- メディア: 文庫
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じつはこの書は何でもかでも書きこんである
世のレファランス・ブックとは違い、
ざっと通読して
その間にある何かあるものをつかんでもらいたい
という意図をもって書かれているので、
おそらくそんな点が買われているのであろう。
(p.9)
アジアには中国がありインドがあり
東南アジアがあり、さらに西アジアがある。
筆者は交通史観とも言うべき歴史観で
この広大なエリアを数千年単位の時間でとらえていく。
いかに他民族と交通で結ばれ交渉していくかが
その民族の興隆と滅亡を決める。
文庫版562ページ。碩学の名著。