万年筆のインクが染みている


大人になって再び万年筆を使うようになって17年になる。
ボールペンとは書き味が違う。
ただ困ることがある。
ポケットにさして電車に揺られて
あるいはポケットから出したり入れたりしているうちに
ふと気づくとフタが外れている。
「あ、また、やってしまった」。
お気に入りのスーツやシャツがインクの色に染まっている。
そんなときふと思いついてやってみたことがある。



  1. インクが染みてからなるべく時間を空けずに水洗いして
    衣類の汚した部分からインクをできる限り取り除いておく。


  2. 仕事が終わったら寄り道せずになるべく早く家に帰る。


  3.  インクの染みた部分に重曹を大さじ一杯のせ、
    柔らかいスポンジで軽くこすって汚れを拭き取る。


  4. ポケットの表裏それぞれに重曹をのせ軽くこする。


  5. そのまま重曹を落とさずにバケツや洗面器に汚れた箇所を
    数時間から一晩ひたしておく。


  6. 衣類を取り出し重曹を付けておいた汚れ箇所を
    再度ぬるま湯で洗い、干して乾かす。


  7. きちんと乾いたらクリーニング店に持っていき、
    クリーニングしてもらい仕上げる。



これをやってみたら、いくらか生地は傷むのだろうが
インクの汚れは見て分からないくらい落ちた。
念のため行きつけのクリーニング店H舎で
従業員の女性にこの方法でよかったか尋ねてみた。
「インクが染みたまま放っておくよりずっとよい」
という返事だった。



もちろん衣服にインクの染みをつけないのが一番よい。
でも、もし大事なスーツやシャツに
万年筆のインクを染みさせてしまったら
そのままあきらめるよりは上記の方法を試してみる手はある。
あきらめたら確実に染まったままになる。


万年筆愛好家諸兄へ。
失敗つづきの僕より。