シンガポールのSpikesAsia 2012に来ている。
AdFestと並ぶアジアパシフィック地域の二大国際広告賞である。
もっとも英語ではFestival of Creativityと
カンヌと同様にとっくにAdvertisingの文字は消えている。
Spikesはカンヌと同じくロンドンのEMAPが経営するようになり
今年で四年目になる。
作品展示はAdFestほど力を入れていない印象で
ここでの見ものは多種多様のセミナーである。
朝一番からセミナー会場に入りびたる。
僕にとってきょうの収穫は以下の三本。
●Koichiro Shima x Yasuharu Sasaki
"How to Make Digital Advertising Work:
Five Tips to Help Agencies Stay Relevant
in the Digital Age"
日本の二大ライバル広告会社に務める二人のCDが
掛け合いでデジタル時代のクリエーティブについて語った。
よく練れた内容であり二人の呼吸の合う様子に
事前の準備のよさを感じた。
ニューヨーク、東京で仕事をしている二人に
さほど距離感を感じないのが、
いまの時代のプロフェッショナルの姿か。
●Eric Cruz
"Asia_No. W.Here:
Asian Identity in the Global Broadcast"
ここ10年間のアジアのアイデンティティの変化に挑んだ
意欲的内容。個人と社会の対比を使いながら丁寧にテーマに斬り込む。
ビデオ映像、スライドなどの使い方にアートディレクションが光った。
アジアの外と内、双方で仕事をしてきたスピーカーの視点の重層性に
さりげなく知性が光る。
●Nirvik Singh x PaPa CJ
"Eye on Global Asians:
Oxford MBA, Stand-Up Comedy andAdvertising
- We Have More in Common Than One Would Believe"
オクスフォードMBAを持つインドのスタンダップコメディアン
PaPa CJの語りにみな大爆笑。
広告業界のスピーカーとは違う語りの力、技術を感じた。
人間、社会の洞察が深く、かつ場の空気に合わせて内容を変化させる
縦横無尽さを学びたいものだ。