Cinder−グランプリ・オープン・ソース・プログラム


カンヌ国際クリエティビティ・フェスティバル二日目。
(Simplicityを旨とするフェスティバルのくせに名前が長い!
 TEDのように呼びやすい略称もまだない。なんとかならんか)
イノベーションライオンの生プレゼンテーションと
David Droga審査委員長率いる審査チームの生コメントに
僕はすっかりはまってしまった。
二日目もAuditorium Aに通い詰める。



僕は予言するが間違いなく来年以降はDebussyあたりの
大きい会場を使って人気セッションになるだろう。
最終的にイノベーションライオン初のグランプリを受賞する
"Cinder: Advertising Goes Open Source" が圧巻。
コンベンション、アウトドアで多用されるようになった
動画コードのオープン・ソース・プログラムを作った人なのだ。



開発したコードをこの人たちがオープン・ソースにしなかったなら、
僕たちの業界の進化がおおいに阻害されたことを確信する。
この人はBarbarian Groupに務めているものの
特許を独占し大金を手にする機会を自ら捨てた。
この仕事にグランプリを与えた審査チームの慧眼もたいしたものだ。



受賞者リストが個人名でなく、
Cinder Community と表記されているのも
泣かせるじゃありませんか。
これこそ、オープン・ソース・プログラムにふさわしい。
梅田望夫が著書『ウェブ進化論』で予言したWeb2.0の真の姿とは
実はこういう仕事に象徴されると僕は思う。



日本勢、博報堂カンヌ初の公式セミナーでは
博報堂ケトル・木村健太郎さんが堂々のプレゼンテーション(写真上)。
"Creative Alchemy-Cannes Version" を発表し、
大会場Ground Audiの観客をケトル(やかん)の力で沸騰させた。
次世代リーダーの日本代表のみなさんのカンヌでの活躍に
僕は少しだけの嫉妬と羨望を隠さず、
心の大部分より静かに熱く拍手を送る。



  (カンヌの一日を終えたらホテル近くでゆっくり夕食。
   La Brouette de Grand Mere。コースのみ。
   安くてうまくて地元の人たちがやってくる店)


⚫⚫⚫


その後、FacebookでParty清水幹太さんが
コーディングの世界におけるCinderの位置付けについて
分かりやすいコメントを書いてくれました。
リンク先を引用します。


https://www.facebook.com/qanta.smz/posts/10201613454561917


(2013.6.22補遺)