『明解國語辭典・復刻版』(1997/原著1947)


『明解國語辭典・復刻版』が届いた。
箱入りの美品だ。
1997年復刻だが、これほど程度のいいものは
アマゾン・マーケット・プレイスにも一冊しか出ていなかった。
古書店を丹念に探せばまだ見つかる可能性があるが、
最後の一冊だったかも分からない。



こちとら辞典一冊読み切るのも覚束ないのに、
24歳から25歳だった大学院生・見坊豪紀(けんぼう ひでとし)が
独力でこれを書いたとは!
しかも見坊は13ヶ月から14ヶ月で書き終えたのだ。
どこの家の書棚にも当たり前のように存在する辞典が、
まったく当たり前でないことを知る。



でたらめに開いた二頁を端から端まで読んでみる。
知っている言葉もあれば、当然知らない言葉、
意味があやふやだった言葉もある。
読むとき、いつも見坊が思い浮かぶのが
この復刻版の特別なところだ。



三省堂120周年記念で2001年に増刷。
次の増刷は140周年記念 (2021年)になるのか。
いっそちくま学芸文庫あたりに入らないだろうか。
その価値がある。検討してほしい。


国語辞典の名語釈 (ちくま学芸文庫)

国語辞典の名語釈 (ちくま学芸文庫)

明解国語辞典

明解国語辞典


巻末に武藤康史の17頁の解説を掲載。
武藤の著書『国語辞典の名語釈』で読むことができる。


(文中敬称略)