谷内六郎/岩崎俊一「昭和というたからもの」


新年最初の出社日。
そして、こちらは最終日だったから
夕方には会社を出て池袋に向かった。
谷内六郎の絵と岩崎俊一のコピーで綴る昭和展」を見に行った。




コピーライターらしき若者たちと
「昭和というたからもの」の引力に惹かれたのか、
年配の方たちの両方が会場で自然に混ざり合っていた。



(谷内のタイトル: 制限速度で来てネ)



谷内六郎は絵はもちろんだが、タイトルの付け方が秀逸だ。
谷内の昭和のタイトルに、
岩崎は平成の視線でボディコピーを書くように言葉を添える。
「たからもの」を失ってしまった僕たちの心に
言葉のトゲが優しく刺さってちくりと痛む。



岩崎はこの展覧会を自分の目で確かめることなく
2014年12月20日、この世を去った。
「父がとても楽しみにしていた展覧会です」
娘でコピーライターの岩崎亜矢がメールに書いていた。




(文中敬称略)