全力で、なにも起きない一日を。


京王設備サービスの
2017年度新卒採用開始告知の中吊り(写真下)。



  「全力で、
   なにも起きない
   一日を。」


キャッチがいいですね。
若いときは「きょう一日、なにかおもろいことが
起きてほしいなぁ」と願って過ごしている訳ですから。
うまいこと、逆を突いてます。
世界はテロにしろ、民族紛争にしろ、
難民をめぐるいざこざにせよ、
なにも起きてほしくないのに日々問題が起きています。


ボディコピーが惜しいと僕は思った。
「私たちは、何気ない日常を支えています。」
せっかくキャッチで気を惹いたのに、
自分で「何気ない」日常と受けてしまったら
緊張感もなにもなくなる。台無しです。



「文章は形容詞から腐る」
と名言を残したのは作家・開高健です。
形容詞「何気ない」を使わずに
ボディを書いてほしいなぁ。


もし、クライアントが「こう書いてくれ」と注文したのなら、
百案代案を持って行って「何気ない」を断固粉砕してほしい。
それがコピーライターの仕事、矜持だと僕は思うんだよ。