2016年新子物語


松本に出張に出掛けている同居人から電話が入った。
年に一度か二度、特別なときに行くG鮨に新子が入ったかな、
と聞かれた。
もちろん、僕が知る由もない。
「17時になればご主人も奥さんも店に来るから
 電話して聞いてみるよ」
と切った。



   (胡留さん「会長は物を知らないただの勉強バカだな…
        ムニャムニャ…」)


新子の旬が7月下旬からお盆までの三週間であることを
僕はなぜか愚かにも一ヶ月勘違いして
8月下旬と思い込んでいた。
副会長に電話して様子を窺うと、
ぼちぼち晩ごはんの準備に取り掛かる頃だ。



   (大王「シンコ、コノシロ、コハダ、シンコ、コノシロ、コハダ……
      ムニャムニャ……シンコ、コノシロ、コハダ……)


「また今度にするかな」と思って中止を決めると、
いったん帰宅した同居人は憮然とした感じだし、
副会長は「行くならきょう行っちゃった方がいいですよ」
と控えめに電話で言うが、僕はまだ気づかない。


気になってGoogleで調べて
初めて自分の愚かな勘違いに気づいた!
大変だぁ!
この機会を逃したら、来年の新子の時期まで
同居人が秘湯会に鮨をご馳走してくれることはない!



あわてて段取りをやり直して19時15分に三人でG鮨を予約。
入荷はその日によって違うが今夜新子があるのは確認済み。
三枚づけ、四枚づけの可愛らしい新子の握りに
ありつきました!
ああ、あぶなかった……(って自分の勘違いのせいか)
ご馳走さまでした!