池内紀が著書『ことばの哲学—関口存男のこと』参考文献で
ヴィトゲンシュタインの新訳について一言触れていたのが印象に残った。
ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン/木村洋平訳
『論理哲学論考』(2007)を読んでいる。
- 作者: ルートヴィヒヴィトゲンシュタイン,木村洋平
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- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
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名前くらいは知っていたが、著作は読んでいなかった。
池内が関口存男とヴィトゲンシュタインを対比して解読した著書が
とても面白くて、連読で読んでみようと思い手に取った。
誰もが引用したくなる最後の一行が、やっぱりいい。
語りえないことについて人は沈黙する。
普段は考えていないけれど、
言葉がなかったら僕たちはそもそもモノを考えられない訳だ。
ところが言葉には限界があるから、
言葉の限界がそのまま思考の限界になる。
…ということも言葉で考えている。
哲学者というのはエライもんだなぁ。
よくそんなことを考えていて頭がおかしくならないもんだ。
木村の新訳は若さの気負いが感じられていい。
詩のような訳文が日本語として美しい。
哲学にも翻訳にも「若さ」があると知った。
- 作者: 池内紀
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/10/21
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(文中敬称略)