ベニヤ板でこしらえた社会


きょうのスクラップブックから。
朝日新聞2017年2月21日朝刊。



「オピニオン&フォーラム」の読書投稿。
埼玉県34歳主婦・村田優さん。


   保育園に落ちた。
   もうすぐ2歳になる娘を抱えて就活し、
   やっとの思いで内定をもらい、
   4月から働く予定だった。
   辞退するしかない。
     (中略)


   時給500円でもいい。
   娘を背負って働くことが許されるなら。
   騒がしく動き回る子供が傍らにいても許されるなら。
   仕事の合間に授乳とオムツ替えを許されるなら。
     (中略)


   時給500円x1日3時間x週3回で、
   月1万8千円の収入になる。
   それだけあれば家計は助かる。
   あるのとないのでは全然違う。



保育と介護をすべて自己責任にしたら
現代日本核家族はもたない。
人生の最初と最後を支援せずに
働き盛りの時間、能力を奪い、そこだけに頼る社会はうすっぺらい。
画だけはりっぱで、実はベニヤ板でこしらえたセットに囲まれて
暮らしているような気になってくる。