「魚卯」も「三栄青果」もなくなるなんて


一週間の仕事を終えて家路につく。
駅前のTSUTAYA
三部けい僕だけがいない街』7、8巻を借りよう。
まだレンタルが始まっていない外伝9巻を除けば
物語はこれで完結。
今週末で決着がつく。



あれ、「魚卯」「三栄青果」が入っている
三栄ショッピングセンターのシャッターにポスターが貼ってあるぞ。
どれどれ。
………



え!?
3月いっぱいでショッピングセンターがなくなる?
「魚卯」も「三栄青果」もなくなるってこと?
すっかり動揺してしまって、
センターを通り過ぎ、TSUTAYAでコミックス2冊借りる。
現実に向き合いたくなくて再度通り過ぎようと思ったけど、
そうもいかない。
意を決して閉店間際の「魚卯」を覗き、
小柄のおっちゃんに聞いてみる。


「肉の柳屋」は既に移転を決めているけれど、
「魚卯」も「三栄青果」も移転でなく廃業と分かった。
ガァーン……!
いつかこんな日が来るとは思っていたけれど、
これほど突然やってくるなんて……。


4月からどこで魚を買ったらいいんだろう……。
「魚卯」のおじさん、おばさん、
「三栄青果」のおじさん二人の再就職は
大丈夫なんだろうか……。
僕は何もしてあげられないので、
うっかり尋ねることもできない。



それにしても「清水屋酒店」に続いて、
「魚卯」「三栄青果」を失うなんて。
資本主義の歯車が1ミリ動くと、
地元の僕たちの暮らしも、そこで働く人の仕事も
有無を言わせず破壊される……。
理論は理解できても、言葉が出ない。