時刻表通りに動く、韓国の若者たち


きょうのスクラップブックから。
朝日新聞2017年10月31日朝刊
池上彰が歩く韓国 to平昌(第5回)
生きづらい 悩む韓国の若者



   (前略)そんな韓国で、
   いま個性的な書店が増加中だという。
   今年6月に日本で出版された書籍
   「本の未来を探す旅 ソウル」を手掛かりに、
   いくつかの書店を回った。


本の未来を探す旅 ソウル

本の未来を探す旅 ソウル


   ここで出合ったのが、詩集専門店だった。
   経営者のユ・ヒギョンさんに聞いた。
   韓国は今、詩のブームだそうですね。なぜ?
   「若者がよく『ヘル朝鮮』(地獄の朝鮮)という話をします。
   韓国社会が地獄のようだ、使い捨てられる束縛感があると。
   そこからの解放を願っているからではないでしょうか」



   それは、なぜですか?
   「人口が少ない韓国は成果重視で動いています。
   いい大学に行かなければならない。
   いい職業に就かなければいけない。
   家を買わなければいけない。
   車も買わなければいけない。
   目標がどんどん高くなり、手が届かなくなるのです」


   「資本主義社会では、詩は役に立たないものです。
   でも、詩が好きな人たちが
   社会をよくすることができるのであれば、
   詩が好きな人を集めようと」
   その表現が詩的ですね。
   「ハハハハ。夢みたいな話ですけど」



韓国では公務員試験は「考試」と呼ばれる。
日本の国家公務員旧2種に当たる7級と
国家公務員旧3種に相当する9級は、
429人の採用に対し、10万6186人が応募。
競争率は248倍。


受験生たちは「考試院(コシウォン)」と呼ばれる
勉強部屋に缶詰になる。
試験に合格するために大学を休学し、
四畳一間に籠もって1日15時間勉強する人もいる。
中国の科挙制度のような状況が
現代の韓国に存在していることに驚く。


マルクス(世界大百科事典/ジャパンナレッジ)
資本主義(世界大百科事典/ジャパンナレッジ)


高校生からわかる「資本論」 (池上彰の講義の時間)

高校生からわかる「資本論」 (池上彰の講義の時間)


きょうで10月がおしまい。
2017年も残すところあと二ヶ月。
みなさま、季節の変わり目に風邪などひかぬよう
どうぞご自愛ください。