国民投票否決でも、自衛隊合憲は不変?


スクラップブックから
朝日新聞2018年2月5日夕刊
憲法改正国民投票否決でも
首相「自衛隊合憲は不変」



   安倍晋三首相は5日の衆院予算委員会で、
   憲法9条に自衛隊を明記する案について、
   「自衛隊が合憲であることは一貫した(政府の)立場で、
   自衛隊を明記することが(憲法改正の)国民投票
   たとえ否決されても変わらない」と述べた。
   希望の党玉木雄一郎代表の質問に答えた。


首相の言わんとする意味が僕は分からず、
記事を読み返した。


国民投票で可決されたら、
自衛隊の存在を憲法に明記。
否決されたら憲法に明記はしないままだが、
自衛隊は合憲である。


論理が崩れているとしか思えません。
憲法に明記するにせよ、しないにせよ、
自衛隊は合憲であると首相の結論は決まっている。
ならば政府は何を問う国民投票をやろうというのでしょう。



朝日が翌2月6日朝刊で
首相発言の背景を書いています。


   首相が党内議論が続いているとしながらも、
   踏み込んだ答弁をせざるを得なかった背景には、
   与野党内で「否決リスク」を指摘する声が出ていることがある。
   (略)


   自民党内にも、こうした懸念はくすぶる。
   9条を議論した昨年末の憲法改正推進本部の全体会合でも、
   出席議員から
   「野党は、否決によって
   合憲としている政府解釈まで変えるのではないか、
   安保関連法(で認めた内容)も否定されるのではないか、
   と言い出している。このリスクを頭に置いておかないといけない」
   との声が上がった。


首相発言は先手を打っているようで、
勇み足になるかなと僕には思えた。
憲法改定にそもそも慎重な連立与党・公明党
首相の強引な「論理」にさらに腰が引けるのではないか。