海岸のたき火で骨にしてもらいたい(椎名誠)


スクラップブックから
朝日新聞2018年2月9日朝刊
語る—人生の贈りもの—
作家 椎名誠(第14回)



   僕はずっと不眠症で、
   約40年前から精神科に通っていて
   睡眠薬をもらって飲んでいます。
   ただ体は昔から健康優良児で頑健。
   それだけに肉体の衰えはつらい。
   わびしいですね。
   (略)


   一番の望みは、
   毎月キャンプしている雑魚釣り隊の仲間に、
   海岸でたき火をして燃やして骨にしてもらう。
   全員逮捕されるだろうけれど
   弁護士もいるし、なんとかなるよ、と。
   (略)


   死は怖いか?
   正直にいいますが憧れと怖さが半分ずつですね。
   面倒くさいことがある日の前夜は
   目が覚めなくてもいいと思いますしね。
   (略)


   「書くことと読むことが大事。
   そこから思考が生まれる」
   と精神科医にも言われた。
   これが僕の人生では結論みたいになっている。
      

                (聞き手・赤田康和)


読み、書き、考え、キャンプする73歳。
不眠症と40年付き合ってきた日々も淡々と語る。


ぼくは眠れない (新潮新書)

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あるいて行くとぶつかるんだ

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