柚木麻子『幹事のアッコちゃん』(双葉社、2016)


「元気が出るビタミン小説」が双葉社の宣伝コピー。
ビタミンと言うより、上等のフィレステーキを
ミディアムレアで150gほど食べたような感じが僕はするな。
柚木麻子『幹事のアッコちゃん』(双葉社、2016)を読む。


幹事のアッコちゃん

幹事のアッコちゃん


おかっぱ大女、『東京ポトフ&スムージー』創業者、
アッコちゃんこと黒川敦子(くろかわ あつこ)。
アッコちゃんの元部下で大手商社・高潮物産営業二課、
澤田三智子(さわだ みちこ)の二人が主な登場人物。


食、余暇、人とのつながり等、
現代社会でともすれば後回しにしがちなことに
アッコちゃんは真っ正面から取り組んでいく。
読後の清々しさはそこから生まれているように思う。
かつては頼りなかった三智子も成長し、
高潮物産が東京ポトフ&スムージーを買収する案件に関わる。
板挟みの状態から学んでいく姿にも好感を持てた。


初出「小説推理」(2015)
シリーズ3作累計で35万部を突破している。
本の題名が「ランチ」「3時」「幹事」。
韻を踏んで遊んでいるのかな。
さて、第4弾の題名は?


ランチのアッコちゃん (双葉文庫)

ランチのアッコちゃん (双葉文庫)

3時のアッコちゃん (双葉文庫)

3時のアッコちゃん (双葉文庫)