中坊徹次・松沢陽士監修『日本魚類館』(小学館、2018)


スクラップブックから
朝日新聞2018年4月9日夕刊
魚類図鑑 仰天ヒット
天皇陛下も執筆 マニアつかんだ詳細さ



  天皇陛下が研究者として執筆に加わった魚類図鑑が、
  異例のヒットを放っている。
  専門的な図鑑は初版五千部が1年で増刷できれば成功とされるが、
  発売2週間で重版が決定。
  決め手はマニア心をくすぐる編集方針と、
  SNSでのこまやかなファン獲得だった。


  (略)
  何かとネットで調べられる今、
  図鑑は冬の時代だ。
  老舗の保育社の「原色図鑑」シリーズ。
  専門家からの評価も高く、これまで鉱石から動植物まで
  70冊以上出版したが、もう20年以上新刊は出ていない。
  図鑑編集部門も廃止したという。


  一方、親の教育熱に支えられた児童向け学習図鑑は堅調で、
  小学館でも年50万部が出る。
  だが、大人向け図鑑の新刊は10年以上ぶり。
  社内でも危惧する意見はあった。
  (略)


  北川さん(引用者注:企画・編集担当。49歳)は
  学生時代、水産学科に所属。
  就職を決めた後に参加した学会で天皇陛下に会い、
  「小学館に入って魚の図鑑を出します」
  と宣言したという。
  (略)
                       (長野剛)



学生のときの夢を実現し、
世間からも受け入れられる。
企画と情熱、会社のバックアップで
売れる良書がまだまだ作れる格好の見本になりましたね。


小学館の図鑑Z 日本魚類館: ~精緻な写真と詳しい解説~

小学館の図鑑Z 日本魚類館: ~精緻な写真と詳しい解説~