イラクで活動した人間たちの記録(2004-06)


スクラップブックから
朝日新聞2018年4月17日朝刊
2004年から06年にかけての
自衛隊イラク派遣の活動報告(日報)概要
防衛省2018年4月16日開示)



   ムサンナ県の教育者などと調整。
   「鉛筆やノート等の消耗品のニーズも高いが、
   草の根では供与が難しいため、
   自衛隊が交付するという方策も検討の価値あり」。
   (04年1月25日)


   23日に見つかった落書き付近の電柱に
   日の丸が掲げられていた。
   中央の赤丸に「X」印が付けられた上、
   白地の部分に「DEth For Japan(日本に死を)」
   「go out(出て行け)」「Japan CreZy(日本は狂っている)」
   と殴り書きされていた(引用者注:英語はママ)。
   (05年5月25日)


   ミーティングでは「郡長指導事項」として
   「各指揮官は隊員の精神的なケアにも着意せよ。
   必要があれば、まもなく来訪するメンタルヘルスの要員や、
   カウンセラーおよび衛生隊等に申し出よ」などと指示した。
   (05年7月5日)


   金曜礼拝で、(自衛隊に)否定的な発言として
   「新しいものを作ることなく、補修のみで任務を終える」
   「電力事情は改善されていない」等があり、
   復興支援活動の成果に対する不満があることがわかる。
   市民の不満が解消されているわけではなく、
   デモ発生の可能性は依然としてある。
   (06年6月25日)


   「バグダッド日誌」に
   「バグダッド連絡班の微妙な緊張感解消!
   (食べ物のうらみは恐ろしい?後日談)」として、
   日本隊に隣接するキャンプ・リバティーのPX(売店)に
   「日本のカップ麺(カップ・ラーメンのラベルも日本語)が
   販売されているのを発見してきた」
   「これで我々バグダッド連絡班内の
   日本食に対する緊張感が一気に解消し、
   『鉄の団結』も盤石である」
   (06年7月4日)


   後送業務隊(RSU)隊長指導事項。
   「本日から我々の活動の第2弾である
   キャンプ・バージニアの撤収を本格的に始めたが、
   50度以上ある暑さの中の作業、ご苦労様」
   (06年7月25日)



消えたはずの自衛隊日報が開示され、
イラクで活動していた人間たちの姿が垣間見られた。
戦場に隣接した現場の様子がリアルに伝わってくる
貴重な記録だ。