神さまが余ったひかりを捨てたとき(一ノ瀬ケイ)

クリッピングから
讀賣新聞2021年5月3日朝刊
読売歌壇(俵万智選)


今週も好きな歌3首、抜き書きします。


  神さまが余ったひかりを捨てたとき
  極北に降る淡いオーロラ

       久留米市 一ノ瀬ケイ


雄大なスケールを感じます。
「余ったひかり」を捨てる神さまの姿がユーモラス。


  引き潮の頬の干潟を舐めるとき
  猫の舌にも気遣いがある

       東京都 山形さなか


作者と長く一緒に暮らしてきた猫なんでしょうか。
「引き潮の頬の干潟」という表現に
独特の味わいがありました。


  昔から球技は苦手だったけど
  今も地球で生きるのが下手

        上尾市 関根裕治


    【評】ユーモアとペーソスに満ちたアイデアに感服。
       この星で生きるとは、地球という球を用いた球技なのだ。


どこからこんな発想が生まれるんだろう。
結句の「下手」に苦笑いしながら共感しました。

     
(下線部クリックで同じ作者の別の歌が読めます)


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