自慢の息子が三つの骨片になって戻ってきた

クリッピングから
朝日新聞2022年3月12日朝刊別刷be
「編集部から」


  3面「サザエさんをさがして」で取材した
  西田充長崎大教授は実は大学の先輩。
  外交官として長年、軍縮交渉の最前線にいました。
  しかし「学生時代に核廃絶をやろうと決意した」
  と知ったのはつい最近です。
  ひょうひょうとした人で
  「そんな志があったとは」と驚きました。


  私も遅ればせながら、コロナ禍で色々と考えさせられ、
  欧州に留学したいと思っています。
  私がブリュッセル特派員に赴任した2014年、
  欧州はロシアによるクリミア併合で大混乱でした
  (「プーチンの実像」朝日文庫をご参照下さい)。


  7月に民間機がウクライナ東部で撃墜された事件は、
  ロシアの関与が指摘されました。
  ある男性が取材に「190㌢近い大柄な自慢の息子が1カ月後、
  三つの小さな骨片になって戻ってきた」
  と話したことは忘れられません。


  ウクライナはいま戦場となり、
  再び罪のない人々の血が流れています。
  今回の「サザエ」では事態の急変も予想された
  ウクライナ情勢を避けるつもりでしたが、
  結局触れることになり、因縁めいたものを感じています。
  一日も早く平穏な日々が戻ることを願ってやみません。

                   (吉田美智子)


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吉田美智子記者のファンです。
欧州留学を考えていることを記事で知りました。
記者休職は寂しいですが、
ジャーナリストとしてさらに活躍するための充電期間になることを
一読者の僕は期待しています。