クリッピングから
朝日新聞2023年4月2日朝刊
「折々のことば」2690 (鷲田清一)
濁点はフットワークが軽い。
ふと目にした「○○メゾン」という表示は
「ゾ」の濁点が右下にあり、
ついそそられたと国語辞典編纂(へんさん)者は言う。
濁点はふつう右上に打つが、
「で」のように字の内側に入り込むものもある。
昔は左に打つこともありけっこう流動していたと。
そういえば線も撓(たわ)んだり跳ねたり急停止したり。
文字は躍り好きみたい。
本紙での連載「街のB級言葉図鑑」(3月11日朝刊be)から。
(飯間浩明他編集の国語辞典最新版)