辞書を殺すのは誰か、生き返らせるのは誰か


きのうのスクラップブックから。
朝日新聞2017年3月16日朝刊。
「私の視点」国語辞典編纂者・飯間浩明



   (前略)
   紙版の辞書は、
   推定販売部数が1993年に約1500万冊でした。
   ところが、2012年には約600万冊と
   半減以下になっています。
   (朝日新聞16年10月17日夕刊の報道)


   (中略)
   国語辞典の場合、
   「大辞林」「大辞泉」の2種類の辞書が、
   紙版に新語を足して無料提供されています。
   「ヤフー辞書」など名前は別でも、
   元データは主にこの2種類です。



飯間は現状を嘆く代わりに
ひとつの提案をしている。


   ネット上に、
   各辞書出版社が共同で
   無料の辞書サイトを作るのです。


   (中略)
   新しい辞書サイトを作るには、
   各辞書出版社が共同で運営組織を作る必要もあります。
   私が編集委員として関わる辞書の出版社で(引用者注:三省堂)、
   複数の社員に伺うと、
   「ハードルは高いが、可能性はある」
   との反応でした。


古書店が力を合わせてサイト「日本の古本屋」を立ち上げ、
古書においてアマゾンとは違う利便を利用者に創り出した事例もある。
危機のときこそ、共同で新ビジネスを立ち上げるチャンスだ。
他人の財産を無償で使う連中を嘆いているだけでは始まらない。
一辞書ファンとして新しい動きが起きることを楽しみにしている。



(この格好でくつろげるのが不思議。胡留さん)


(文中敬称略)