道端の花を縫ひ合はせるやうに(小金森まき)

クリッピングから
讀賣新聞2023年5月1日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週の好きな歌3首、抜き書きします。


  道端の花を縫ひ合はせるやうに
  歩いて春の仕立て屋になる

         千葉市 小金森まき


    【評】道沿いの花を見ながら歩く。
       右端に寄っては見、左端に寄っては見。
       その動きをとらえた「縫ひ合はせる」という動詞がポイントだ。
       視点が高く、歌のスケールが大きくなった。


  でもそれは生理用品だと聞いて
  微笑(わら)ってオムツを許すばあちゃん

          川越市 かしくらゆう


  旅の夜の長湯に浸かり目を閉ぢる
  後は寝るだけ明日帰るだけ

           瑞穂市 渡部芳郎


この歌も好きでした。


  今はもう良い思い出と言えなくて
  欠席に○ ビスコをかじる

           大阪市 原 拓