熱風が光の海を吹き荒れて(小金森まき)

クリッピングから
讀賣新聞2023年9月25日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週の好きな歌3首、抜き書きします。


  熱風が光の海を吹き荒れて
  帆を張るやうに日傘をひらく

      千葉市 小金森まき


    【評】今年の夏の暑さは、
       まさに上の句に表現されるような凄(すさ)まじさだった。
       暑さの中へ出てゆくことは、
       熱風の波を乗り越えること。
       自分は、嵐の中の小舟なのだ。
       相棒である日傘を、その舟の帆としたところが面白い。


  今きっと笑ったしょげた野球観て
  会えない君と繋がる真夏

         豊中市 今西幹子


    【評】君がどこかで応援しているはずのチーム。
       その様子を思い浮かべながら、そっと心で連帯する。
       第二句のリズムと具体性が、いい。


  「こちら側のどこからでも切れます」は
  「また電話する」くらい怪しい

         舞鶴市 西野美之


僕もかねてから、あれ怪しいと思ってました。



(自作短歌の推敲力向上のために俵さんの参考書2冊、再読中)