クリッピングから
讀賣新聞2019年10月14日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
疲れたら浮かんでいよう人間は
泳がないことだって選べる
狭山市 えんどうけいこ
【評】水難事故に遭(あ)ったときにも「浮いて待て」という。
水との関係だけでなく、
生き方についての歌としても読めるところが魅力だ。
前進することに疲れたら、休んでいいんだよと。
句またがりの効果で「だって」に力が入る。
限られたスペースで
俵さんが5行を割いて評を書きました。
「句またがり」の手法と効果を学びました。
残りいしこの世の息を吐き終えて
猫は己の一代(ひとよ)閉じたり
和歌山県 中西みよ子
我が家でともに暮らした猫たちを看取ったときのことを
この句が思い出させてくれました。
人も猫もこの世に別れを告げるとき
最後の息を吐いて終えるのですね。
- 作者: 俵万智
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