ケーススタディの主役登場

ベルリンスクール第4日。
きょうはピエールが
ケーススタディを使って
講義とワークショップを行う。
MBAが得意とするプログラムだ。
ところがきょうは驚きが隠されていた。
セッションの後半で
ケーススタディで取り上げた
アメリカの先端的企業の元CEO
Renn Zaphiropoulosその人が奥さんと登場したのだ。
僕たちが本人とも知らず本人の前で
Rennのリーダーシップについてひとしきり議論した後に
大柄のエジプト人は穏やかなオーラを発しながら
僕たちの前に現れた。
Rennの会社はデジタルプリンターを発明した会社で
デジタル信号を僕たちが読める記号に
プリントする技術を生み出した。
大変な成功をおさめ、XEROXから買収の誘いを受けた。
Rennは自分たちの会社の自由で自律的な文化を壊すことなく
XEROXグループに参加し、さらに会社を成長させた。
そのリーダーシップがMBAの教材の古典になるほど
知られているのだ。
一流の学者が調査分析したケーススタディに加えて
本人から生のメッセージを聞ける講義は画期的だ。
きょうはピエールがとてもいい仕事をした。
こうしたセッションに参加していると
肩書きや国籍や業界にしばられない学びの場を
日本でも作れないものかと考える。
日本の学びの場はヒエラルキーにしばられ、
自由と柔軟性と驚きが乏しい。
僕はアカデミーの人間ではないから率直にそう思う。
学びの場の創設。
ベルリンスクールに参加して以来、
いつもそのことが頭から離れない。