ベルリンスクールに通って10日もすると
身体的変化が起きる。
これ以上、知識も議論も論理も欲しくないと
身体が抗議行動を指令し、
僕の場合はめまいが始まる。
級友たちを見回しても
6度目の経験にも関わらず
知のトライアスロンで
疲労困憊している姿が見え始める。
自主休講や半休をする級友もいる。
けれど日本人のDNAが
僕にさぼることを許してくれない。
こんなとき、学校に通うこどもたちが
与えられる知識でパンクしかけて
どこかに救いを求めたくなるような気持ちが
よく理解できる気がする。
僕ならどうするか。
昼ごはんを抜いて
小一時間シュプレー川沿いを歩く。
夕食は日本料理屋をふんぱつして
熱燗を傾けながら
イカ納豆や茎わかめをつまむ。
早めに部屋に戻って緑茶をいれ、
ブンデスリーガを観るか、
文庫本を読むかして寝てしまう。
まぁ頭がパンクしかけたら
動物的悦び(creature's comfort)を取り入れて
バランスを取ることにする。
(写真はシュプレー川沿いにたたずむ母子。
いい絵だったので一枚撮らせてもらった。
男の子はいつの日か
こうして川沿いに母とたたずんだ時間を
思い出すだろうか。
すべては忘却のかなたに
消えてしまうのか)