ガラスを磨くと年末が見える



年末のガラス磨きはわが秘湯会にとって
一年の最後を締めくくる大事な行事のひとつである。
我が家のガラスというガラスを徹底的に磨く。
その仕事をテキパキと仕切るのは
日頃はどちらかと言えばのんぴりしている副会長である。


副会長の指示によって
昼食、休憩を適切にとりながら
なおかつ日没までにすべての仕事が完了した。
この手際のよさを副会長には日常活動にも応用してほしい
と会長の僕は願うのだが、
そうはうまくいかないところが人の面白さである。
普段の副会長は相変わらずとらえどころなく
フワフワ存在している。



このガラス磨きにはひとつだけ欠点がある。
磨き終わった後でおっちょこちょいのメジロがガラスに激突したり、
我が家の黒兵衛がシジュウカラを追って同じく激突したりする。
つまり、トリや猫にとってはまことに危険な事態を招くほど、
ガラスの透明度が上がってしまうのだ。


ガラスがきれいになると
ああ、今年も年末がやってきているんだなぁ、
と僕は視覚を通じて再認識する。



透明なガラス窓と裏腹に
世界同時不況の激動のさなかで
見通しがつかない2008年末。
みなさん、知恵と工夫とユーモアを総動員して
荒波を乗り切っていこうじゃありませんか。