ワンコインで飲んで、話そう


隔月の第四金曜日に四金会と称し
「飲んで、話そう」という企画を同僚たちと始めた
(今月は諸般の事情により第五金曜に変更した)。
いつもは会議でしか使っていない地下室のスペースを
たまには愉しみのために使おうじゃないかと発想したのである。



会社も暴風雨の中を航海する日々が続くことになる。
あるいは爆弾が雨あられのように降ってくる戦場での闘いを
余儀なくされるとでも言えばよいのか。
そんなときこそコミュニケーションは命綱にもなる。


若い社員は500円、
役職のついた者は1,000円払えば誰でも参加できる。
集まった会費の3倍近い金額を
会社がマッチファンドで支払う仕組みを考えた。
したがって、新橋のどの店よりも
コストパフォーマンスがよいのが自慢である。



第一回の幹事グループにはソムリエあり、DJありで、
日頃知らなかった同僚たちの姿がちらりと見える。
長老とも言うべきベテランは
近所で自慢のガーリックトースト
自分の故郷・尾道「桂馬」のうまい練り物を
予算をやりくりしながら取り寄せた。
質素だが会話をつまみにしばしの時間を過ごすのだ。
社長も新入社員もやがてごちゃまぜになってくる。



ダラダラやらずに開会から1時間半できっちりお開き。
なに、会話の続きを楽しむなら、ここは新橋、
会社の周囲にいくらでも適当な店がある。
酒を飲んだら、仕事はやらない。
仕事が残っている人はアルコール抜きで楽しんでもらう。
環境に配慮して紙皿、コップ、割り箸もお一人さま一組限り。
後片付けもみんなで協力してさっさと済ます。
幹事グループは今後部署ごとに交替して公平に務める。



仕事環境がどんどんタフになっていくことは無論分かっている。
けれども、「それどころじゃない」という言葉は
コミュニケーションやアイデアを生業とする
プロフェッショナルとして封印したいと僕は思っている。


こんな時代にこそ役立たなかったら
コミュニケーションやアイデアやクリエティビティには
たかがそれくらいの力しかなかったと
自分たちが認めることになる。
それはおのれの天職に唾する行為に等しい。


  
  (大小二種。かえりジャコ、煮干しにマヨネーズを付けて
   食べるつまみが僕は一番気に入った。
   写真上の左の方に見えている。
   さすが瀬戸内、小魚にチカラがある)


隔月の「四金会」が絆とチームワークのための
潤滑油の試みに育ってくれると、
発案者としてはうれしい。
みんな、同じ皿のジャコ(雑魚)をつまむ仲間たちである。