花粉とメディア芸術の土曜日


よく晴れて花粉が飛びかった土曜日、
六本木の新国立美術館
第12回文化庁メディア芸術祭に出かけてきた。
昨年の第11回、仕事の相棒が広告業界からは唯一の優秀賞を
クルマのクライアントのショートフィルムで受賞した。
それがきっかけで入賞作品展に行ったのだが、これが面白かった。



  (写真上: 田口行弘 
   "Moment - performatives spazieren" より)


そんじょそこらの作品展、コンファランスなど目じゃないほど
入賞作品のカテゴリーが幅広く、質が高い。
今年も44カ国・地域から応募があった2,000点から
一割弱の約170点が展示されている。
「メディア芸術」で全4部門がくくられている。
すなわちアート、エンターテインメント、アニメーション、
マンガの4部門である。



  (写真上: 加藤久仁生 "つみきのいえ" より)


今年、僕の印象に残ったのは、


  Marcio Ambrosio "Oups!" (アート部門大賞)
  田口行弘 "Moment - performatives spazieren" 
   (アート部門優秀賞)
  佐藤雅彦研究室+桐山孝司研究室/ユーフラテス
   "君の身体を変換してみよ展" 
   (エンターテインメント部門優秀賞)
  朴正義と[Gyorol]制作チーム "Gyorol" 
   (エンターテインメント部門奨励賞)
  加藤久仁生 "つみきのいえ" (アニメーション部門大賞)
  新房昭之 "さよなら絶望先生” (アニメーション部門推薦作品)


などであった。




  (写真上: 朴正義と[Gyorol]制作チーム "Gyorol" より)


なるべく気合いを入れすぎず、
作者の有名無名にとらわれず虚心坦懐に見ようとするが
二時間くらい集中しているとそれなりに疲れてくる。
会場に創造エネルギーが充満しているせいに違いない。


観客の70%以上は作り手のように見えた。
次には自分こそがここで認められるような作品を作ってやるぞ、
野心やらうぬぼれやら希望やらのオーラが
あたりに渦巻いているのを感じる。



僕は午後早めの時間を狙って行ったから待たずに入れたが
ほどなく入場制限が始まり、僕が帰る頃には会場外は長蛇の列だった。
これだけの展示が、これだけの場所を使って入場無料。
間違いなく文化庁のヒット企画であり、
関係者のみなさまのご尽力に深く感謝したい。
ありがとうございます。



  (写真上: 山村浩二 "こどもの形而上学"より)


きょうの午後は税金を払った甲斐のある午後だった。
見損なってしまったみなさんは、ぜひ下記のサイトへどうぞ。


  http://plaza.bunka.go.jp/


(文中敬称略)