浮き世マーケティングの時間



銭湯お遍路第22湯は、清水湯・武蔵小山温泉
なんともここには銭湯で唯一療養泉と認定された
源泉掛け流しの湯があるんです。
それでも入浴料は銭湯料金の450円。
ホームページでそのことを知ったとき、
東京の銭湯も奥が深いなぁ、としみじみ思いました。
金曜日、今週最後の仕事を終えて、出かけてみました。



この銭湯は、黄金の湯と称する源泉「地涌の泉・不老の山」、
東京に多い黒湯の源泉「清水湯」の二つを所有しています。
黄金の湯は露天になっていて、ややぬるめ。
長湯に適します。



土地柄なのか、こどもと大人がおしゃべりを楽しみながら
じゃれあって入浴しているのがほほえましい。
一見客の僕まですっかり愉快になります。
人間同士の絆と言うとオーバーかもしれませんが、
人と人のつながりが豊かであるのを感じます。
僕も仕事の疲れがほぐれていきます。




風呂上がりには
生ビール(500円)と温泉玉子(一ヶ50円)が注文できます。
床几(しょうぎ)に座って、
牛乳や清涼飲料を楽しむ親子連れに混じって
僕も一杯やってきました。
三歳くらいのこどもが僕の食べている温泉玉子を
じっと見ていました。
どうだ、大人はいいだろう。



風呂上がりは例によって
その土地の飲食店街を散策してそのうちの一軒に入ってみます。
この日はカウンタ−6席の小体な店N。
長崎のじゃこ天、壱岐麦焼酎のうまい店です。



どうやら病院関係者らしい常連さん4人が
おかみさんと雑談しながら飲んでます。
ここでも一見の僕は会話に加わる訳ではないですが、
みなさんの雑談を聞くともなく聞いています。
おかみさんの言葉のイントネーションは
僕には佐賀弁そっくりに聞こえました。



こうした時間は僕にとって
浮き世のマーケティングをする時間。
世間や人間の気持ちの揺らぎに触れるひとときです。
メディアから仕入れる情報、知識とは
ひと味ちがう世間が見えてくることがありますね。