我々はどこから来たのか。ゴーギャン展


午後から夕方にかけてうまく時間が作れたので
東京国立近代美術館(竹橋)の「ゴーギャン展」を観に行った。
一番の話題作は日本初登場。ポスターになっている。
僕はPR用のキャッチフレーズだと誤解していたが、
作品タイトルだった。



  我々はどこから来たのか
  我々は何者か
  我々はどこへ行くのか


  Where Do We Come From?
  What Are We?
  Where Are We Going?


当時のタヒチの濃密な闇、湿度、音、女たちの皮膚の触感。
この作品をじっと眺めているとそんな感覚がやってきた。
ゴーギャン自身が認めているように他の作品とは明らかに密度が違った。



  (写真上。美術愛好家たちに話題になっているゴーギャンバス。
   東京駅と東京国立近代美術館の間を無料で乗せてくれる)


他に好きだった作品は「純潔の喪失(The Loss of Virginity)」。
裸で横たわる女性の頭のところにキツネがいる。
女はキツネに片手をまわして抱いている。


遠くの道には大勢の人たちが正装し、
歩調を合わせて歩いている。
まるで葬儀に向かう行進のようだ。



メトロを乗り継ぎ往復して
帰りにやなか珈琲店のアイスミルクコーヒー、クッキーで休憩して
全部で二時間。
幸い会社は都心にあるので、
どこの美術館に行くにもそう時間はかからない。
スキマ時間を活用するにはもってこいのロケーションなのだ。


金曜日は夜8時まで開館する美術館も増えたので、
日々の生活にアートを取り入れることも
そう難しいことではなくなった。



失業率が過去最悪の数字に近づき、
経済状況はとても底を打った実感はないけれど、
困難な時代に生きるときこそ
アートのある日々に意味があるのだと僕は思う。
ゴーギャン展」にも老若男女が詰めかけ、
みな静かに、じっくりと全53点の作品に見入っていた。


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9月23日まで。