ドイツの結婚式に出席する

古城ではあったが特に幽霊が出ることもなく、
無事に眠りにつくことができた。
もちろん身体に時差は残っているが、
完全にこちらの時間になじまないうちに帰国することになるだろう。


朝起きて、古城周辺を散策する。
秋のドイツの木々、湖に囲まれた土地の空気の中を歩くのは
なんとも爽やかだ。僕だけでなく、そこここで参会者たちが散歩している。



    (ベルリンスクール級友のマティアス君一家。
    卒業の頃に生まれた娘ルイーズがもうこんなに大きい)


結婚式はもちろんハイライトの行事だろうが、
みなさんが自分の休日を楽しむ時間を同時に作っているのが
なかなか豊かなことだと思う。
せっかく費用も時間もかけて集まるのだから、
主役の二人のためだけでなく、
自分たちのためにもなるように過ごす方がよほど理にかなっている。



    (新郎はベルリンスクール級友のセバスチャン。
     新婦はアニメーションフィルムディレクターのハイジ)


ベルリンはもちろん都会であるが、
結婚式のために泊りがけで田舎を訪れる余裕が
人々に残っているところが面白い。どこかのどかで、人間的なのだ。



    (この教会で式を挙げた。セレモニー最後の合唱曲は
     ビートルズの"All You Need Is Love")


第一結婚式と言っても、
主役のふたりはとっくに同棲していて子どももいる。
しかるべきタイミングでこうして宴を持ち
みなさんに披露すること自体、おとなの行事である。
ドイツと日本では結婚式の役割も意味づけも
どうやら大分異なるようなのだ。


日本から参加した僕を気づかって
あちこちでセバスチャンが紹介してくれた。
この三日間、式とパーティに参加したドイツのみなさんの間で
僕はすっかり有名になってしまった。