「自家製だし」ができあがる

生育が進んで大きくなってしまった胡瓜は細かく刻む。
徹底的に刻む。包丁を持つ手がだるくなるくらい刻む。
茄子を刻む、茗荷を刻む、生姜を刻む、大葉を刻む。
全部をざるで混ぜて塩をふりかけ、
10分から20分置いてギュッと水を絞る。徹底的に絞る。


水気が抜けて分量が減ったところに
今度は醤油6、日本酒4の割合でひたひたにして瓶に詰める。
冷蔵庫で冷やしておけば「自家製だし」のできあがり。



    (「自家製だし」瓶詰め)


「だし」は山形名物で
畑で余った作物を細かく刻んで保存する漬け物の一種だ。
家によって製法が異なる。
昆布やオクラ、納豆などを混ぜることもある。
夏、食欲が落ちたときに、あったかいご飯にのせたり、
冷や奴にのせて食べる便利なお総菜なのである。


夏野菜をたっぷり使っているから、
ビタミン、ミネラル、食物繊維はもちろん豊富である。
畑でできた作物は捨てるところがほとんどない。
山形農家の暮らしの知恵から生まれた一品ですね。



    (よその畑のカボチャの花)


市販の夏野菜でも、もちろん問題ない。
「自家製だし」、夏の間にお試しあれ。