毒と薬、虎穴と虎児


Foursquareで遊びながら考える。
もし「自分の行動記録をばんたびスマートフォン
記録しておくことを命ずる」と言われたら
誰しもうれしくないでしょう。



しかし、Foursquareでは
その「命令」を嬉々として果たす自分がいる。
罰則がない代わりに本来報酬もないはずなのに、である。
一週間ごとのスコアが集積され
自分で登録したフレンズたちとランキングを競い合う。
一定の達成を果たすとバッジがもらえメイヤーに任命される。
こうしたものを報酬として感じられるようになると
ゲームに一歩深入りしている自分に気づく。



Foursquareの場合、
課金システムを持つソーシャルゲームとは異なる。
すべて無料で遊べる。
しかし自分が記録し公開したデータが
やがて集積されてビッグデータになる。
ビッグデータを解析することで
個人の行動履歴に基づくターゲット広告の精度が上がっていく。
そうした可能性と危険は無視できない。



僕には自分の行動をすべてさらけ出す趣味も願望もまるでない。
FacebookFoursquareの履歴が
自動的に公開されているのに気づきリンクを外した。
FoursquareTwitterにつなぐことも意識的にしない。
プライバシーとソーシャルの一線をどこで引くかは
自分の責任である。



ソーシャルネットワークとの距離感を自分なりにつかむには
やはり自分で使い込み失敗を重ね修正し続ける以外にない。
虎穴に入らずんば虎児を得ず、はいまの時代にも正しい。
あらゆるものは使い方次第で毒にも薬にもなる。
薬として活用するには毒となりうる性質まで把握する必要があろう。
ソーシャルメディアとて例外ではない。


wikipedia:foursquare
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