ヒトラーが命じ実行した行動は到底許せるものではないが、
人格、行動、思考には昔から興味がある。
怖いもの見たさの心理か。
アレクサンドル・ソクーロフ『モレク神』を見る。
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ヒトラーが愛人エヴァ・ブラウンの暮らす
山荘を訪れた一昼夜を描く。
ソクーロフの「権力者四部作」第一作である。
昭和天皇を描いた『太陽』は第三作に当たる。
エヴァとふたりきりになった後で
戯れ合い、気持ちを吐き出し合う姿が圧巻である。
愛人であり続けることに不安を感じるエヴァ、
エヴァ以外の誰にも自分の弱さを見せられないヒトラー。
ラストシーンは子犬の死と鼻をほじる仕草、
二人だけにしか通じない暗号のような会話で終わる。
1945年4月30日、青酸化合物で心中する二人は
その前日、エヴァの望みだった結婚をベルリン総統地下壕で果たす。
権力者たちの、ありえたであろうフィクションの表現に
ソクーロフ独自の視点を感じる。
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