言葉はリニアの構造である。
横書きの文章なら左から右に読んでいけば
理解できるように本来組み立てられている。
そうした「直読直解」が英語でどうしたらできるようになるか。
伊藤和夫『英文解釈教室(改訂版)』を読む。
- 作者: 伊藤和夫
- 出版社/メーカー: 研究社出版
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
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一定以上の知的水準の例文を筆者が集め
構文の視点で丹念に読み解いていく。
15章に及ぶ内容を根気よく読み進めば、
英文を読む力が上がってくるのが確かに分かる。
文法書をまるまる一冊読んでも
そうした手応えはなかなか得られない。
本書で一頁一頁思考法を鍛錬することで
伊藤が発見した法則が自家薬籠中の物になっていく。
大学受験生の参考書として紹介されているが、
構文視点で英語読解力をつけるために社会人の役に立つ。
英語を一通り学んだ後で戻る場所である。
Get back to where you once belonged.
伊藤が1997年1月に逝去する直前、
20年ぶりにこの改訂版が出版された。
癌に冒され闘病を続ける伊藤が
己の原点、代表作をさらに前に進めた骨太の名著である。
初版から数えて36年目のロングセラー。
研究社出版の矜持、よし。
この著書に出会えて僕は幸運だった。
(文中敬称略)