僕が6年間出向していたFの同僚・岸浩史さんが
文庫を送ってくれた。
岸さんはあるとき過労で手が動かなくなった。
(そのとき上司だった僕のせいではないと思いたい)
医者に行っても原因も治療法も皆目分からない。
リハビリを兼ねて自分の見た夢を漫画にした作品、
それが『夢を見た』である。
2007年、「推理小説」で連載が始まり、
2011年に単行本にまとめられたデビュー作が文庫になった。
- 作者: 岸浩史
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 文庫
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会社生活と並行して7年間書き続けていることも素晴らしいが、
一定の読者がついたことで文庫化が実現したのもうれしい。
この作品世界に浸っていると、
たとえ不合理であっても、非論理であっても、
夢には人を癒やす効果があることを思い出す。
いや、そもそも、効果などとはおこがましい。
現実が上で、夢を見下す感覚だ。
むしろ寝ているときに夢を見ることで
現実世界の並行感覚を辛うじて保つのが人間なのではないか。
…と、まぁ、僕の理屈っぽい批評はどうでもよく、
文庫になったことで出張でも遊びでも
旅に岸さんの見た夢を連れて行けるのがうれしい。
みなさんの旅のお供にもいかがです?