堀江貴文『刑務所なう。完全版』(2012/13単行本、14文庫)


堀江貴文『刑務所なう。完全版』を読む。
ホリエモンの獄中日記504日分を
文庫本1冊にまとめた。
もともと2冊の単行本として刊行していた著作だ。



スタッフとの面会、手紙のやりとりを経て
メルマガ、ツィッターに掲載。
リアルタイムとまではいかないものの、
これまでの多くの獄中記とはひと味違う試みを実現した。



堀江のポジティブな考え、行動には大変共感できた。
いまだに若者たちから支持される秘密が
この本を読んでずいぶん理解できた。
個々の事象に対する意見もストレートで小気味いい。



例を挙げれば、NHKためしてガッテン』などテレビ番組の評価。
スティーブ・ジョブズへの敬愛の念や、
楽天・三木谷の新経済団体の見通しなど。
領土の考え方には違和感が残り同意できなかったが、
自分の意見をハッキリ表明する姿勢には共鳴できる。



07年の実刑判決から11年の最高裁上告棄却まで、
堀江としても入獄には抵抗があったのは無理もない。
30代のほとんどを裁判に使ってしまったと述懐している。
しかし、結論が出て収監されてからの姿勢は潔い。



日々の献立とそれに対する堀江の反応が面白かった。
敬遠していた納豆もきなこごはんも、
刑務所生活が続くうちに食べられるようになる。
自分の姿を苦笑しながら見ているもうひとりの堀江がいて、
行間からそこはかとないユーモアが伝わってくる。


(文中敬称略)