ニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで
講義を聴けた大学院生たちはなんと幸運だったのだろうと思う。
その講義の集大成が新訳で帰ってきた。
エリック・ホブズボーム『20世紀の歴史—両極端の時代』
上下二巻(ちくま学芸文庫、2018)を読む。
- 作者: エリックホブズボーム,Eric Hobsbawm,大井由紀
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2018/06/08
- メディア: 文庫
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- 作者: エリックホブズボーム,Eric Hobsbawm,大井由紀
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2018/07/06
- メディア: 文庫
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これほど俯瞰的で、
かつ細部まで濃密な20世紀史を読んだ記憶が僕にはなかった。
取り上げた時代は違うが、
ヘーゲル『歴史哲学講義』を読んだときの
論旨の明晰さを思い浮かべた。
- 作者: ヘーゲル,長谷川宏
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/06/16
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ホブズボームの名前は
同志社講座でナショナリズムの勉強をしているときに
たびたび耳にし、目にした。
いつか読もうと気になっていた人だった。
金曜日の紀伊國屋ツアーで
あるとき新刊文庫平積みコーナーで上下巻を見かけ、
パラパラ眺めたのが手にしたきっかけだ。
政治、経済、文化まで
気の遠くなるほどの文献・資料を元に
ホブズボーム独自の20世紀観が語られる。
ひねりの利いた、皮肉なユーモアが時折混じるのが堪らない。
訳文がこなれていて読みやすいのは
訳者・大井由紀が
南山大学外国語学部英米学科准教授であるためか。
巻末に索引・参考文献と並んで
筆者自身による「読書案内」があるのがなんともうれしい。
冒頭はこうだ。
歴史家ではないがもっと知りたいという読者のために
いくつか提案させていただく。
(下巻 p.593)
- 作者: R. R. Palmer
- 出版社/メーカー: McGraw-Hill College
- 発売日: 2001/07/01
- メディア: ペーパーバック
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「読書案内」の締めくくりを読んで、
またニンマリする。
読者諸氏は、
自信満々の文献の論調(筆者自身の見解も含め)に惑わされ、
実証された真実と意見を混同しないよう気をつけていただきたい。
(同 p.600-601)
文庫二巻で1,200ページを超える大作である。
この本は購入して身近に置き、たびたび参照しようと思う。
編集: 天野裕子、増田健史、北村善洋(筑摩書房)
Age of Extremes: The Short Twentieth Century, 1914-91
- 作者: E.J. Hobsbawm
- 出版社/メーカー: Abacus
- 発売日: 1995/10/12
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- 作者: E.J.ホブズボーム,E.J. Hobsbawm,浜林正夫,庄司信,嶋田耕也
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2001/03/19
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- 作者: エリックホブズボーム,Eric Hobsbawm,河合秀和
- 出版社/メーカー: 三省堂
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- 作者: エリックホブズボーム,Eric Hobsbawm,河合秀和
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wikipedia:en:Eric Hobsbawm